2023年7月31日

  • 卒業生

2016(平成28)年度電気システム工学科(現・電気電子システム工学科)卒業、2018(平成30)年度大学院工学研究科電気電子工学専攻博士前期課程修了益田 晃太郎さん

益田さん

2016(平成28)年度電気システム工学科(現・電気電子システム工学科)卒業
2018(平成30)年度大学院工学研究科電気電子工学専攻博士前期課程修了

憧れの職場で働くために

「電力会社で働くことが夢でした。幼い頃に『電柱になりたい』と言っていた記憶があります」と笑顔で語るのは、中部電力パワーグリッド株式会社松本営業所に勤務する益田晃太郎さん。電力会社を志望したのは電気工事士である父親の影響だった。
「生活に欠かせない電気の供給を支える父の姿はとてもかっこ良くて憧れました」。父と同じ設備・整備の道も考えたが、父の会社の発注元で中部エリアの電力会社最大手である中部電力で設計の仕事をしたいと考えるようになった。夢を叶えるために電気の勉強をしたいと、本学電気システム工学科(現電気電子システム工学科)に進学した。
「大学では山本和男先生の研究室で高電圧を学び、企業と連携して雷の電流を発生させる装置を製作しました。就職後に活躍するためにはもっと知識が必要だと思ったので、大学院に進学しました」。明確な目標に向けて本学で着実に力をつけ、見事に夢を実現させた。

人々の生活を支える配電設備を設計

益田さん

益田さんは入社以来、電気を住宅に引き込む配電の設計を担当し、既存の配電線の改修、電柱の移設設計なども行ってきた。
「配電はお客様の生活に直結する大事な設備です。安心して電気を利用できるよう、土地の地盤、周辺の環境などに合わせて電柱の強度や立てる場所、配電線の引き込み位置を変えるなど、さまざまな要因を考慮して設計をしています」
自分が設計した現場には必ず足を運び、工事が円滑に進むよう、建設過程を見ながら施工業者と改善点を話し合うという。「現場に行くのは好きですね。実際に施工の様子を見ることで設計の改善点を見つけられます」。お客様と施工業者からの要望に応えるため、何度も図面を描き直すことも。
「電柱の建設時には地下を2~3mほど掘削するため、水道管やガス管を傷つけないように事前に各会社から情報を提供してもらいます。古い土地などは記録が残っていないことがあり、掘ってから設置できないと分かることもあります。その場合はもう一度図面を描き直さなければなりません。大変なこともありますが、自分が設計したものが形になって何十年とその地域を支えるということにやりがいを感じています」

  • 益田 晃太郎さん
  • 中部電力パワーグリッド株式会社
  • 2016(平成28)年度電気システム工学科(現・電気電子システム工学科)卒業
    2018(平成30)年度大学院工学研究科電気電子工学専攻博士前期課程修了

災害から電力利用を守るために

2023年7月からは保守部門に異動となった。電力設備の故障時には昼夜を問わず、復旧作業を現場に具体的に指示する業務を担う。
「交通事故による電柱の破損だけではなく、台風や地震など自然災害の多い日本では保守作業が欠かせません。何かトラブルが起きて電気の供給が絶たれた時に、一刻も早く復旧できるよう努めたいです」

目標を持つことが努力につながる

益田さんお話中

幼少期からの夢を叶え、生き生きと働く益田さん。「夢だった仕事ができ、頑張ってきて良かったと思っています。自分の経験から言えることですが、目標があるとそれに向けて頑張れるので、できるだけ早い時期から何か1つ目標を立てると良いと思います。もしなければ、学生のうちにいろいろな経験を積んで見つけてほしいですね」と学生の皆さんにエールを送る。

  • ウプト226号(2023年7月31日発行)より転載

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