2023年11月30日

  • 卒業生

1989(平成元)年度国際関係学科卒業 マイクスギヤマさん

マイクスギヤマさんメイン写真

1989(平成元)年度国際関係学科(現・国際学科)卒業

歌詞で描く物語

今やジャパンカルチャーの1つとして、世界中で親しまれているアニメソング(通称:アニソン)。本学国際関係学科(現国際学科)卒業生のマイクスギヤマさんはアニソン業界では有名な作詞家で、「ドラえもん」や「しまじろう」、シリーズものの「プリキュア」「スーパー戦隊」「仮面ライダー」などの子ども向けの番組から、「進撃の巨人」や「ワンピース」、「ウマ娘」など、アニメやゲームなど幅広い作品の主題歌・挿入歌・イメージソングなどに詞を提供している。
放送開始前の歌を作詞する時には、企画書から今後の展開を予測して書くこともあるというマイクスギヤマさん。「原作があるものは事前に読み、分析して作詞をしますが、原作が無いものはそうはいきません。限られた情報の中からストーリーを予測する想像力が、この仕事には重要です。想像して浮かび上がった言葉の中から取捨選択し、絵を描くように作詞をします。完成した歌詞は遠くから眺め、確認をしています。良い歌詞は、字面も絵のように美しいです」

新聞記者からの転身

マイクスギヤマさんメイン写真

学生時代は中国語を専攻し、勉強だけではなくバンド活動など、趣味にも没頭した。「大学で国際情勢を学んだおかげで、世界を俯瞰的に見る広い視野を持つようになったと思います」。
卒業後は一般企業で広報を担当したが、多言語を話せる中国系アメリカ人の後輩に刺激を受け、24歳の時にオーストラリアへ。現地では「日豪プレス」の新聞記者となり、日本人に関係する事件や事故、経済のニュースなどを担当し、7年ほど勤めた。その後、現地で知り合った友人と日本で音楽活動をしたいと帰国。当時、多くの有名アーティスト
を輩出していた沖縄県を拠点とした。「当初はアーティストに楽曲提供をしていましたが、オーストラリア滞在中の頃に日本のアニソンが大人気だったことを思い出し、自分の作った歌も世界中で歌われたらうれしいなと、アニソンの作詞家を目指しました」
「遊戯王デュエルモンスターズ」のエンディングテーマの作詞コンペに応募したところ見事採用され、そのまま音楽プロダクションに売り込んで作詞家に転身した。

  • マイクスギヤマさん
  • 作詞家
  • 1989(平成元)年度国際関係学科(現・国際学科)卒業

子どもたちの歌声が力に

作詞家デビューの翌年、声優が交代したばかりのテレビアニメ「ドラえもん」のエンディングテーマ曲のコンペが行われ、『踊れ・どれ・ドラ ドラえもん音頭』が採用された。それをきっかけに、「ドラえもん」関連の楽曲を多く手掛けることになった。「まさにドラえもんがボクの夢を叶えてくれました」。
自身が携わった作品の映画やショーは必ず見に行くというマイクスギヤマさん。「幼児向けアニメでは難しい言葉や漢字はなるべく使用せず、子どもが歌いやすいよう簡単な言葉で作詞をします。終演後に子どもたちが歌を口ずさんでいるのを見ると、うれしくなります」

歌で笑顔に

マイクスギヤマさんサブ写真

作詞家としてデビューをしたのは32歳だったというマイクスギヤマさん。学生の皆さんに、「ボクは回り道をして今があります。どんな時でも『始めるのに遅い』はないと思います。迷わずにどんなことでもチャレンジしてみてください。ボクは『リスナーの皆さんが幸せになりますように』と思いを込めていつも作詞をしています。興味があれば是非一度聴いてみてください。皆さんの背中を押すエールが見つかるかもしれません」とメッセージを送る。

  • ウプト227号(2023年11月30日発行)より転載、オンライン取材

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