主な展示紹介

お知らせ

    主な展示紹介

    シルクロード室(第1室)

    再現模写《菩薩と天人たち》 制作 松村公太、2007年、土、天然顔料、墨

    今は無きアフガニスタンのバーミヤーン石窟寺院壁画の一部模写作品
    基底材となる土壁作りの工程から、大陸の風合いを再現する天然顔料の使用など素材研究が多面的に試みられた研究作品
    日本の法隆寺金堂壁画の原点ともいわれるガンダーラ美術の様式をかいまみることのできる貴重な資料です

    画面には、現代の内戦による銃弾の痕をそのままリアルに遺されている箇所も

    《西安追想~平和への巡幸》 制作 下川辰彦、2008年、和紙、天然顔料、墨

    古のシルクロードの交易の要衝地として繁栄した西安(長安)をモチーフに、天然顔料の美しさを追求した現代日本画作品
    大陸伝来の天然顔料や染料、墨を用いる絵画技術は、千年以上の時代を越えて日本独自の絵画表現へと発展してきました
    伝統技法と現代の感覚の融合から新たな表現とテーマを探究する、日本画の今を伝える作品です

    地域研究エリア(第2室)

    オセアニア地域 祖霊像(パプアニューギニア)

    一本の木から彫り出されている木彫像で、人体を誇張した形に貝殻や人毛を用いて精緻に装飾している姿は祖先の霊を表しているとされています
    民族資料博物館の前身「民俗資料室」時代に文化人類学者の畑中幸子国際関係学部教授(現中部大学名誉教授)が選定した資料です
    1970年代前後にオーストラリア政府の現地調査に参加した畑中教授は、研究者の立場で戦後日本の国際交流活動に貢献した人物の一人といえましょう

    アフリカ地域 仮面(バマナの人びと?・マリ) 、松浦コレクションより

    西アフリカの内陸部には、古くから農耕を生業にした人びとが、カモシカなど角を持つ動物を神聖視し、祭礼では抽象化した形の仮面にかたどり用いてきたとされています
    外交官を経て、ユネスコ事務局長を日本人で初めて務められた松浦晃一郎氏は、により寄贈を受けた資料の一つです
    松浦氏は、アフリカの無形文化財遺産の価値を国際的に訴える活動を続けられるなか、現地の人びととの交流を大切にされました

    ヨーロッパ地域 糸車(リトアニア)

    黒海沿岸のバルト三国、リトアニアの大学と文化人類学者の畑中幸子国際関係学部教授(現中部大学名誉教授)が現地との学術交流時代に入手した記念資料の一つ
    古くから亜麻を特産としてきた人びとの暮らしを知る資料の一つとして紹介しています

    アジア地域 女性用の伝統衣装(ウズベキスタン) 、近藤コレクションより

    中央アジア、ウズベキスタンの女性用の伝統衣装で、深紅の地に円形の花柄やパルメット文様を連想させる蔓形の植物文があしらわれています
    金属製の胸飾りの中央には、邪視除けの意味が込められるガラス玉がはめ込まれていたと想定されます(現状は欠損)
    民族衣装に魅せられ、世界各地を赴いた愛好家による収集資料の一つです

    アメリカ地域 民族楽器 角笛“ワクラープク”(ペルー)

    南米ペルーの民族楽器で、水牛の角を重ねて接合し、渦巻きの形状につなげた管楽器
    マウスピースを付けて唇にあてて出す音色はホルンに似ているとされ、祭礼で用いられた楽器の一つとされます
    民族楽器も現地の自然気候や生態系に応じて特色があります
    展示室では、動物の皮革、歯や骨、羽など、特徴的な天然材料の素材を用いた資料にサイン表示をつけて紹介しています

    学生生活