教員からのメッセージ
食品栄養科学科・管理栄養科学専攻
小池 温子
スポーツ現場で生じた食事・栄養素に関する「なぜ?」を探っていこう
近年、スポーツ選手が「どの栄養素を、どのくらい摂取すべきか」といった栄養戦略については、多くの研究によって明らかになりつつあります。一方、実際のスポーツ現場では、選手の経験則だけが先行したまま科学的根拠に欠けた食事・栄養摂取法が用いられているケースも少なくありません。さらに、SNSの普及により根拠のない情報が拡散され、正しい知識とそうでないものの見極めが一層難しくなってきています。
こうした状況の中で、現場で選手に栄養指導を行う人材だけでなく、「その食事はなぜ良いのか?」といった疑問の本質を探り、それを正しく発信できる管理栄養士の存在が、これまで以上に求められていると感じています。自分自身が経験したことや、現場で実際に目の当たりにした「なぜ?」をきっかけに研究を始めると、一見難しく感じられるメカニズムの探究も面白く感じられます。確かな根拠に基づいた食事・栄養摂取法を追求・発信することで多くのアスリートのパフォーマンス向上に寄与することを目指し、一緒に研究を進めていきましょう!
大学時代の経験を糧に、自分の世界を広げよう
私の現在のキャリアの始まりは、学部時代の卒業研究で大学生のアメリカンフットボール部に対して栄養サポートを行った経験でした。情熱を持って活動する監督や選手、スタッフとの出会いがきっかけとなり、スポーツ栄養学の分野で働くという夢が芽生え、大学院への進学、基礎研究への取り組み、トビタテ!留学JAPANでの留学など…大学で熱中した経験を契機に、自分でも想像していなかった新しい世界が次々と広がっていきました。
スポーツ栄養に限らず、大学生活の中で何かに本気で打ち込む経験は、人生を大きく変える出会いや気づきをもたらしてくれると考えています。総合大学である中部大学では、文系・理系を問わず、多様な分野の仲間や先生方と出会える環境が整っています。ぜひそうした環境を活かし、広い視野をもって多くの価値観に触れながら、有意義な学生生活を送っていただけたら嬉しく思います。