あなたの知的好奇心とチャレンジ精神が地球の未来を切り開く
『化学』は、もの（物質）を対象とし、その基本である原子、分子、それらの変化（反応）などを取り扱う学問です。そして私たちの生活に密接に関連している学問であるといえます。私たち自身はもちろん、私たちの身の回りのすべてのものがさまざまな物質からなります。『化学』の力でプラスチック、ファインセラミックス、半導体・集積回路、バッテリー、医薬品・農薬などのさまざまな新しい物質、材料、それらを用いた製品を生産し、生活を豊かなものにしてきました。
物質を構成する原子の種類（元素）はたかだか100種程度しかありません。しかし、その原子の組み合わせによりつくられている物質、さらにそれらの反応によってできる物質は無限にあります。原子や分子は直接見ることはできませんが、私たちは頭の中でそれをイメージし、動かして、組み立てます。「こんな分子があったらいいな。」「あんな材料があったらどうなるんだろう。」・・・私たちの知的好奇心が尽きることはありません。
一方で、新しく創り出された物質が環境に影響を与え、私たちの生活を脅かすようになることもあります。しかし、これまでの新物質の創出や応用を支えてきたのが『化学』であり、未来の私たちの生活をより豊かにするばかりでなく、現在のエネルギー、環境、食糧、水などの問題の解決、社会の持続的な発展にもやはり、『化学』の力が不可欠なのです。
ものづくりの原点である『化学』だからこそ、できることがたくさんあります。チャレンジすべき課題は尽きません。あなたの知的好奇心で地球の未来を切り拓くため、ともに『化学』で夢を“かたち”にしていこうではありませんか。
応用化学科主任 教授 坂本渉