2026年7月31日

  • 卒業生

2018(平成30)年度心理学科卒業 杉浦叶恵さん

杉浦さんメイン写真

子どもの心の声に寄り添う

 三河病院で、臨床心理士として勤務する杉浦叶恵さん。入院中や外来の子どもたちに対して心理面接や知能検査などを通して心のケアを行う。言葉でのコミュニケーションに課題
を抱える子も多いため、会話だけでなく、一緒に遊びながら、何に困っているのかを把握するアセスメント(評価)も欠かせない。医師から「感情のコントロールや行動面での課題について対応してほしい」との依頼を受ければ、その子に合うアプローチを一から組み立てる。「自分一人では解決で
きないことも多いため、早めに周囲に相談し、チームで動くことを心がけています。患者さんに対しては、少しでも話しやすいよう柔らかい接し方を意識しています」と、日々の業務に向き合っている。

心を開いてくれる喜び

 やりがいを実感するのは、じっくりと時間をかけて関わる中で、子どもたちが少しずつ心を開いてくれた瞬間だ。「いらだちを感じていても、何に対して、何が原因で困っているのか自覚できなかった子が、自分のことを話してくれるようになったり、『話を聞いてほしい』とSOSを出せるようになったり。そんな些細な変化を見せてくれたとき、ここで安心して過ごせているのかなと嬉しく思います」
 日々の関わりは理想通りにいかないことも多いが、だからこそ粘り強く試行錯誤を重ね、その子に合う支援の形をチームで見つけていくプロセスに、何物にも代えがたい喜びを感じている。

学びの原点と今に続く絆

 対人関係への関心から心理学を学びたいと選んだ中部大学では、恩師である願興寺礼子教授(心理学科)の勧めで参加した「適応指導教室」でのボランティアが、大きな転機となった。学校生活に悩みを抱える子たちと触れ合い、その優しさに触れる一方で、コミュニケーションの難しさを痛感。「子
どもの発達や心の発達についてもっと詳しく知りたい」という思いが強まり、鳴門教育大学大学院に進学し、臨床心理士を志した。
 学生時代はバレーボール部に所属し、学部を越えた仲間と切磋琢磨した。その友人たちとは今も月に一度集まって近況を報告し合う仲で、仕事の疲れをリセットできる大切な繋がりとなっている。

自分から一歩を踏み出す

 現在は、認知行動療法( C B T )などの専門的な知識をより深め、臨床業務に生かそうと研鑽を積んでいる。そんな杉浦さんから、後輩の学生たちへアドバイスを送る。
 「大学時代は、とにかく今しかできないことを全力で楽しんで、たくさんの経験をしてほしいです。社会に出た後に、その経験があるからこそ深く考えられる瞬間が必ず訪れます。また、卒業論文や将来のことで迷ったり、どうしていいか分からなくなったりした時は、一人で悩まずに先生を頼ってみてください。『こんなことで困っています』と相談すると、中部大学の先生方は有益な助言などで導いてくださいます。ぜひ勇気を出して一歩を踏み出し、充実した時間を過ごしてください」

  • ウプト238号(2026年7月31日発行)より転載

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