生命健康科学研究所長ごあいさつ

お知らせ

    生命健康科学研究所長 山下均教授
    生命健康科学研究所長 山下 均

    21世紀に入り人類は世界的な規模で高齢化時代を迎え、経済・社会生活全般に様々な変化が起こっています。とくに日本は世界に先んじて超高齢化社会に突入しており、人口が急激に減少する一方、増加する要介護者と並行して悪性腫瘍や認知症、生活習慣病の増加や新興・再興感染症が勃興するなど、人々が安心して健やかな人生を送り、健康な老後を享受することが困難になりつつあります。この中で、いかに生命と健康を守り、心身ともに健全な生活を過ごすために、なすべきことは何でしょうか?私たちは生命科学、健康科学に携わりながら、科学者の立場で、具体的な解決法を考案し、提示していくことが、生命健康科学研究所の使命だと考えます。また、明日の生命健康科学を担う若い学生、研究者、技術者を育てることも、その大切な使命の一つと考えています。

    2004年に、このような使命を担い、あらたな生命健康科学の創造と発展の研究拠点の形成を目指して、本研究所は設立されました。以来、およそ20年にわたり、生命健康科学部の設立と充実・発展の過程において、生命医科学、保健看護学、理学・作業療法学、臨床工学(メデイカルエンジニヤリングリサーチ)、スポーツ保健医療学(一次予防教育)等の広範な生命と健康に関わるライフサイエンスの先端をリードするための拠点としての役割を果たしてきました。実際に、研究員は個々の専門性を生かして、学外研究者との共同研究も活発に推進し、さまざまな研究成果を上げています。

    研究所の使命として、この間、そして今後留意していきたい点は以下の通りです。

    1. 生命健康科学の基礎研究の拠点として、創造的、先進的研究を推進し発信する。
    2. 若手研究者の育成を目指し、学びあう場、交流の場の形成を目指す。
    3. 大学院の充実と大学院生の研究、生活の支援活動を実施する。
    4. 地域の健康問題への取組みの支援と共同研究、共同企画を推進する。
    5. 中部大学における研究成果の発信と社会還元を推進する。
    6. 大学内、国内外の大学、研究所との交流の促進、共同研究の推進を支援する。
    7. 大型プロジェクトの立案、大型予算獲得のための準備作業を支援する。

    2008年9月、文部科学省の私立大学戦略的研究基盤形成支援事業「生活環境因子誘発疾患の予知・予防に関する戦略的研究」(代表者:鈴木康夫教授)が採択され、独立した研究センター「ヘルスサイエンスヒルズ」が新たに誕生しました。また、本研究所では、「在宅医療支援のための地域大学連携システム」をテーマに、地域密着型プロジェクトも推進しています。さらに、これらの研究支援、人材育成活動とともに、学生の教育と社会還元の一環として、本学の生物機能開発研究所との共催による中部大学ライフサイエンスフォーラムを毎年企画・開催しています。ライフサイエンスのトップランナーを招いて、生命科学の最新情報の紹介と近未来の発展方向を考える場を設定しています。

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