CU Synergy Program 「生体信号解析・評価の基礎と応用」

お知らせ

    生体信号がもたらす豊かな生活の可能性とは

    ウェアラブル・デバイスを身につけた平田豊教授
    ウェアラブル・デバイスを身につけた平田豊教授

    現在、ウェアラブルデバイスによる生体信号の取得技術が進展しており、腕時計や指輪でも体温、心拍、呼吸、血中酸素飽和度などの計測が可能になっています。ウェアラブルデバイスが収集する生体信号の計測・解析・評価は、私たちの健康や行動に対する理解を深めるために重要な手段です。

    また、バイオフィードバック技術を活用することで、自律神経を調整し、集中力やリラックス効果をもたらすことも可能です。将来的には体全体に様々なセンサーが装着される可能性もあり、これらのセンサーから取得される情報を活用して、より豊かな生活を実現する技術開発が社会では大いに期待されています。

    平田 豊(Yutaka HIRATA)

    中部大学理工学部AIロボティクス学科 教授
    AI数理データサイエンスセンター センター長
    創発学術院 運営委員、心の専門部会 委員
    名古屋大学未来社会創造機構 客員教授

    • 1995年
      豊橋技術科学大学大学院博士後期課程システム情報工学専攻修了。博士(工学)。在学中、生体信号計測・解析に関する研究に従事。
    • 1995~1997年
      宇宙開発事業団宇宙環境利用推進センター招聘研究員として宇宙神経科学実験プロジェクト(Neurolab)における脳神経活動計測・解析を担当。
    • 1997~2000年
      ワシントン大学医学部耳鼻咽喉科博士研究員としてサルの眼球運動並びに脳神経活動計測・解析研究に従事。
    • 2000年
      中部大学工学部電子工学科専任講師、助教授、情報工学科教授、ロボット理工学科教授を経て、2023年から現職。

    この間、15社以上との企業共同研究や愛知県「知の拠点あいち」重点研究プロジェクト、JST CRESTの研究代表として、生体信号計測・解析技術を用いた人の脳状態推定技術の啓発研究に従事。

    生体信号の専門家育成を目指す。

    平田豊教授
    平田豊教授

    このような背景から、本講座では最新の生体信号技術と知識を提供し、産業界のニーズにこたえる生体信号における専門家の育成を目指します。生体信号の計測・解析・評価によって個人の状態や感情を理解するだけでなく、ビジネスや製品開発に応用する方法を学ぶことができます。例えば、消費者の本音や欲求を推定し、製品やサービスの提供に役立てることができます。

    また、本講座では個人のプライバシー保護や倫理的な側面も配慮します。技術の進化に伴い、個人の権利を尊重し、生体信号と脳の因果関係を理解することで、より安心して生体情報を活用することができる専門家になっていただきたいと考えています。

    ウェアラブルデバイスと MATLAB の学びから未知の可能性を解き放つ。

    企業との共同研究からは、有用性の高いいくつもの技術が生まれています。特に私が注目しているのは、目の周辺から得られる生体信号です。「目は口ほどに物をいう」と言われる通り、これらの生体信号からは覚醒度や注意など様々な脳の状態を知ることができます。今回の講座では、目から得られる生体信号に限らず、ウェアラブルデバイスで現在取得できる様々な生体信号についても学ぶことができます。幅広い生体信号の解析方法に触れることで、より深い理解を得ることができます。

    本学は世界中でデータ解析ツールとして使用されている MATLAB の包括ライセンス契約(ETLA)を結んでおり、この優れたツールを活用することで、生体信号処理に関連する実践的なアルゴリズムを効率的に学ぶことができます。受講者は実際の生体信号データを取り扱い、デジタル信号処理により様々な情報を抽出する方法を学びながら、実践的なプロジェクト課題を通して専門スキルを身に付けることを目標とします。

    革新的な成果を生み出す人材を期待。

    スマートウォッチ、スマートフォン、目の動きをとらえるカメラが付いた眼鏡、心拍数を測る指輪
    スマートウォッチ、スマートフォン、目の動きをとらえるカメラが付いた眼鏡、心拍数を測る指輪

    企業様は生体信号の利用によって、消費者の心理状態を把握したり、バイオフィードバックを通じて心の状態を変調させることで、製品開発やマーケティング戦略に応用したりすることができます。本講座では、受講者に生体信号の計測・解析・評価の重要性と技術を理解していただき、産業界における革新的な成果を生み出す人材が誕生することを期待しています。

    生体信号とAIの融合による未来への展望

    生体信号とAIの融合による健康管理とコミュニケーションの可能性が広がっています。生体信号を活用した健康モニタリングにより、個人の管理に対する理解が深まります。それと同時に、他人とのコミュニケーションにも応用することで、言語を超えた効果的なコミュニケーションが実現されることでしょう。AIとの組み合わせにより、生体信号の解析が高度化・簡便化され、次元の高いコミュニケーションが促進されます。これにより、より良好な人間関係の構築や社会の豊かさを実現する展望が開かれています。

    お問い合わせ先

    CU Synergy Program に関するお問い合わせは、地域連携教育センターへ。

    中部大学 地域連携教育センター
    487-8501 愛知県春日井市松本町1200
    電話: 0568-51-4392(直通)
    ファックス: 0568-51-1172
    Eメール: ext@office.chubu.ac.jp

    地域連携・生涯学習