CU Synergy Program 「AI基礎と応用」「AI基礎と応用アドバンスプログラム」

お知らせ

    待ったなしのDXを大きく前進させるのは、AIへの正しい理解と、実践スキルの獲得。

    cu-synergy-program-02fujiyoshi2

    高度な視覚機能の実現によるロボットの知能化をめざして研究。

    ディープラーニングは、DX実現のうえで非常に重要な技術です。本講座の講師を務める3名の教員は“機械知覚&ロボティクスグループ”に所属し、ディープラーニングによりAIに高度な視覚機能を持たせ、ロボットを知能化する研究を行っています。例えば、AIが画像から食品の種類や向きを瞬時に判断し、陳列から消費期限の確認、廃棄までを自動で行うシステムを、他大学・企業と共同のチームで開発。World Robot Summit 2018におけるWorld Robot Challenge のフューチャーコンビニエンスストアチャレンジ 陳列・廃棄タスク2位など、国際的な学外コンペティションの入賞実績があります。一方、“AIの判断根拠の可視化”にも取り組んでいます。ディープラーニングで学習したAIはその特性上、例えば画像から疾患の有無を正しく判断したとしても、間違った箇所を判断根拠としている可能性があります。そこでAIが画像のどこに注目したかを可視化し、根拠が誤っている場合は人がヒントを与えれば、AIの信頼性を高められます。この技術で可視化したAIの判断根拠を利用し、逆に学習者である人(研修医など)が学べるアプリ“AIから学ぶ”を2022年3月に発表しました。

    AI活用に伴う作業の泥臭さも経験し、自社への適用をイメージできる力を。

    本講座では、ディープラーニングの知識の正しい理解と実践的な力の習得をめざしますが、私が担当する第1~4回では、より基礎的な機械学習の手法を講義します。企業の現場には、そうした基礎的な手法で解決できる問題も多くあり、技術を理解した上で “適材適所”で活用できる力を身につけていただけます。また、AIは一見スマートな存在ですが、ディープラーニングは人が大量のデータを収集し、正解ラベルを付与するといった非常に泥臭い作業を伴います。それを理解し、自社への導入を具体的に検討できる力を獲得いただくことも本講座の目的の一つです。3名の講師は以前からディープラーニングの普及と人材教育に携わっており、大手電機メーカーや製造業でも同様の講座を行ってきました。その実績で東海地区の産業に貢献したい思いを持って臨み、最終回ではAI同士が知識を伝え合う”共同学習“など最新のAI技術動向も紹介します。少子化が進む中、もはやDXは待ったなし。人がより重要な仕事を担うためにも、AIによる業務の効率化は必須です。IoTによる収集データを活用できていない企業様も、本講座で正しい技術の使い方を習得し、いち早くDXを実現していただければ幸いです。

    理工学部 AIロボティクス学科
    藤吉 弘亘 教授

    AIの基礎を習得するのは、今がチャンス。豊富なデータを収集し、いち早く活用を。

    cu-synergy-program-03yamashita2

    国内のディープラーニング研究における黎明期からの蓄積を、講座に反映。

    日本国内でいち早くディープラーニングに取り組み、コンピュータビジョンの中でも特に物体検出の技術に関心を持ち、研究を行っています。物体検出とは、人の視覚に相当する機能をAIで実現し、ドライブレコーダーに映った車や標識の文字など、“どこに何があるか”を認識する技術です。20年ほど前、私が企業で開発した顔検出技術は、デジタルカメラ等の多くの製品に搭載されました。人の顔を見つけて四角い枠を表示するのですが、今はそれをさまざまな物体に発展させ、ソフトウェアのサイズが小さく低消費電力、かつ高速・高精度な、システムに組み込めるものとなるアルゴリズムを研究しています。また、ディープラーニングなどのAIがモノを見る場合にはどこに着目して認識しているかという、“判断根拠の可視化”や、AIの新しい学習方法である“自己学習”の研究も行っています。本講座では第5~8回を担当し、その中でメインとなるのが、“畳み込みニューラルネットワーク”という、人の視覚に相当する技術です。ディープラーニングの専門家として企業と大学で蓄積してきた機械学習ノウハウと、過去に複数の企業で講座を行う中で吸い上げた課題に基づく講義・実習を用意しています。

    AIによる判断根拠の可視化は、熟練者の技術継承にも力を発揮。

    AIと聞くと漠然とした存在に感じるかもしれませんが、講座ではどのような技術か、その仕組みはどんなものか、どんなことに使えるかを系統立てて学び、実務に効率よく応用できる力をつけていただけます。受講者自身でAIプログラムの作成・テスト・評価まで一連の過程を行う実習もあり、AIの中身への理解を深められるため、のちに市販のAIを利用する際にも役立ちます。過去に企業で行った同様の講座を受講した方は、すでにビジネスに活用されているほか、「所属部署の意識変革につながった」といった声も聞かれます。AIは、外観検査や異常検知による生産現場の効率化や、自動運転など製品・システムの機能高度化に活用できるほか、多くの製造業が頭を悩ませる熟練者の技術継承にも力を発揮します。さらに先に述べた“判断根拠の可視化”により、言語化が難しい技術を画像で示して人に伝えることも、AIをより賢くして自動化することも可能です。しかしどの用途にも共通して言えるのは、AI活用には大量のデータが必要で、収集には時間を要するということです。今のうちから技術を習得し、早期活用につなげていただければと願っています。

    工学部 情報工学科
    山下 隆義 教授

    どんな仕組みか。何をどこまでできるか。AIについて知ることが、活用の第一歩。

    cu-synergy-program-04hirakawa2

    機械学習の一つ“強化学習”は、複雑な問題の最適な答えを導き出せる。

    機械学習の一つ“強化学習”は、複雑な問題の最適な答えを導き出せる。
    画像認識(コンピュータビジョン)に関する機械学習アルゴリズムの中でも、特に“時系列データ解析”と“強化学習”に関心を持ち研究しています。時系列データ解析は、動画像のデータを認識・解析し、未来に動く経路の予測をしたり、人がどんな動作をしたかを特定したりする技術。強化学習は機械学習の一手法で、本講座のうち私が担当する第9~12回の中でも学んでいただくものです。例えばAIに病気を発見させたい場合、画像に“正解”のラベルをつけた膨大な量のデータを人が作成し、AIに読み込ませる”教師あり学習“があります。これに対して“強化学習”は、AIに正解を教えるのではなく、導き出した結果が良い場合に高い得点(報酬)を与えることを繰り返し、より高得点となる判断ができるよう学習させます。囲碁の世界名人に勝ったAI“AlphaGo”が、強化学習の代表例。画像による疾患の判定が単純な正誤判定であるのに対して、囲碁は盤面の状態が無数にある中で次の手を判断し、最終的に勝利することが求められます。強化学習はこのように、具体的なルールや正解を与えることが難しい場合に有効な手法です。また、製造業の生産工程の自動化に強化学習が導入されています。

    AIを活用したいなら、技術者に限らず使う人にも基礎的な理解が必要。

    強化学習が応用できる場面の代表例が、産業用ロボットの制御です。キャベツの千切りのように不定形で向きも多様な物体や、バラ積みされた機械部品の一つをつかむ動作をさせるには、強化学習が適しています。もう一つ私が講義を担当する“深層生成モデル”は、”教師あり学習“で大量に必要となる”学習データ“をコンピュータで作成する技術。バリや傷を除去した良品画像を作り、実際の部品の画像との比較による異常(不良品)検知を実現したり、まるで現実のような画像を作り出して学習データの数を増やし、AIの性能・精度を向上させることが可能となります。特に製造業でニーズの高い異常検知に関しては、実習でも具体的に取り上げる予定です。注目が高まるAI技術ですが、今のところまったく知識を持たずに使うことは難しいのが実情。AIに携わる技術者だけでなく、製造現場などで運用する方や、プロジェクト立ち上げの意思決定を行う方にも、ある程度の知識を持ち理解を深めていただくことが間違いなく必要です。社内で活用したいとお考えなら、AIとはどういうものか、何ができるか・できないかを学べる本講座を、ノウハウの第一歩としてぜひお役立てください。

    AI数理データサイエンスセンター
    平川 翼 講師

    お問い合わせ先

    CU Synergy Program に関するお問い合わせは、地域連携教育センターへ。

    中部大学 地域連携教育センター
    487-8501 愛知県春日井市松本町1200
    電話: 0568-51-4392(直通)
    ファックス: 0568-51-1172
    Eメール: ext@office.chubu.ac.jp

    地域連携・生涯学習