機能高分子材料研究室

お知らせ

    幅上 茂樹 教授

    教授:幅上 茂樹
    研究室:14号館5階
    専門分野:高分子化学
    趣味:ガーデニング

    研究キーワード

    機能性高分子材料/スマートゲル材料/環境調和型合成

    学べることは?

    機能性高分子・スマートゲル材料の創製/環境調和型プロセスによる高分子材料の精密合成

    高分子の構造を精密に設計・制御して合成することにより、高度で新しい機能をもつ材料を作り出すことができます。例えば、私たちは複数種の高分子を組み合わせた「ゼリーのように柔らかいが容易に壊れない」特殊な構造をもった高分子ゲル(相互侵入高分子網目構造ゲル)を一挙に組み上げる新しい方法を開発しました。これらを応用することにより、温度や化学種(イオンや金属塩)を見分けて体積や色を変化させる様々なセンサー機能を併せもつスマートゲル材料(マルチ応答性ゲル)の創製や、有機溶媒を使わない水中での有機反応を可能にするヒドロゲルリアクターの開発などを行っています。

    研究室からのメッセージ

    タンパク質、核酸、多糖などの生体高分子は見事に制御された分子構造と、それによる高度な機能をもっています。合成高分子も生体高分子同様に小さな有機分子から組み上げられ(重合反応)ますが、人類には未だそれほどまでに整えられた美しい構造を作る技術はありません。また、高分子ゲルは高分子鎖がさらに3次元網目状につながったもので、ついにはその塊が一つの分子といえる、目に見えるほどの巨大なものにまでなります。

    様々なアイディア・工夫で高分子や高分子ゲルの分子構造をほんの少し(生体高分子に比べれば)制御して組み立てることができれば、きっと新しい機能が発現します。言い換えれば、意図する機能を材料にもたせるためには、その分子構造を設計・制御することが一つの解決策になります。

    誰も作ったことのない巨大な分子を設計して、新たな材料を生み出す研究を一緒にしてみませんか。

    研究例

    開発した相互侵入高分子網目構造ゲルの特徴①

    通常のヒドロゲルはゼリーのように、力を加えると簡単に壊れてしまいます。一方、相互侵入高分子網目構造ゲルは、押しつぶそうとしても容易には壊れない、柔らかくて強いとてもユニークな材料です。

    開発した相互侵入高分子網目構造ゲルの特徴②

    相互侵入高分子網目構造ゲルは、複数種の網目状高分子を組み合わせた構造からなるため、それぞれの特性を示すだけでなく、相乗的に作用した新しい機能を発現する可能性があります。実際に開発したゲルは、温度変化に応答して可逆的に膨潤・収縮する温度応答性に加えて、特定の金属塩やイオン種が存在すると色や体積が変化する化学刺激応答性などの特性を併せもっています。