准教授:籔内一博
研究室:14号館5階
専門分野:超分子化学/有機機能材料
趣味:旅行/自然探索
研究キーワード
自己組織化/クロミック物質/分子集合材料
学べることは?
ゲル材料を基盤とした機能性分子集合材料の開発および光や力を利用した構造・特性制御
当研究室では、有機分子が分子間相互作用により自発的に集まる自己組織化現象を利用し、分子をあたかもブロックのように組み立てることで、さまざまな秩序構造や機能を発現する分子集合材料の開発に取り組んでいます。具体的には、液体をゼリーのように固めるゲル化剤や液晶材料を用いて集合体の構造を組み立て、さらにはこれらの集合体に、力や光によって色や構造を変える分子を組み合わせることで、外部からの刺激に応答してその構造や機能を変化させる材料について研究を進めています。研究室では、このような分子集合体を構成する分子の設計から合成、構造や物性の評価まで一通り学ぶことができます。
研究室からのメッセージ
DNAやタンパク質などの生体分子は、分子集合材料のお手本であり、水素結合をはじめとした分子間の相互作用を巧みに利用することで、高度な組織構造を形成し、生命活動に関わる重要な機能を担っています。我々は、これら生体分子のように上手に集まる仕掛けを組み込んだ分子を自分で考えて、作ります。自分が思い描いた通りに分子が集まって働いてくれた時の達成感は、目的の分子が合成できた時とはまた違ったものになります。こうして得られた研究成果を世界に発信できるように一緒に頑張っていく気概のある人、新しい物質を作り出すことに興味のある人は、ぜひ一度研究室を覗いてみてください。
研究例
溶媒をゲル化する物質の開発
ごく少量の粉末(低分子ゲル化剤)を溶媒に加えて加熱して溶かして冷やすことで、溶媒中で分子が繊維状に集まって溶媒をゼリーのように固めます。てんぷら油の凝固剤も同じ原理で固まります。このようなゲル化剤分子の開発について、簡便・低コスト・省エネルギー化を追求して行っています。
光や力で色や機能が変わるゲル材料の開発
光や力など、外からの刺激を加えることで色が変化する分子(クロミック分子)は、色が変わる時に、分子の構造や集まり方が変化します。このような特徴をもつ部位をゲル化剤分子などに組み込むことで、ゲル状態と溶液状態を制御できるゲル、色が変わったり発光したりするゲル材料の開発に取り組んでいます。また、光を当てることで、熱安定性や機械強度が向上するゲル材料の開発にも取り組んでいます。