研究例紹介:木村研究室

お知らせ

    研究目的

    現在、Society5.0を支える技術として「実世界」と「サイバー世界」を連携・融合したサイバーフィジカルシステム等の研究開発が盛んに行われています。「人間行動」を含めた異分野を連携した大規模数値計算により「全体最適化」が図られた未来社会が実現可能とされているが、実世界と等価なサイバー世界構築技術、分野連携数値計算手法等さまざまな課題があります。研究室では、「故障箇所特定」等、これまで熟練技術者への依存度が高かった「経験」ベースの事象に対して、計算機性能向上とともに進化・発展してきた数値シミュレーション技術、人工知能(AI)技術(帰納法~演繹法)を利用した「AI連携型リバースエンジニアリング技術」の確立を目指し、技術者不足解消に貢献するすることを目指しています。さらに、今後普及拡大が加速度的に進むと予想される大規模IoTセンサ情報と数値計算を連携・融合した完全数値計算ベースの「兆しを掴み未来を予測する技術」の確立を目指しています。本研究により、将来の少子高齢化における技術者不足の解決、新たな「未来社会」の効率的構築が可能となると考えています。

    システム全体概要

    現在、我々は「サイバー世界」構築に向けた技術開発として、データ「収集」という観点から「IoTデバイス超低消費電力化技術」と「一般ユーザインセンティブ型情報収集技術」、「蓄積」という観点から「クラウド蓄積データ削減技術」と「AI連携適応型数値モデリングによるデータ最適化技術」、「分析」という観点から「画像データ解析による劣化予測技術」、「知識クラウド化による人間行動モデリング技術」の研究開発を実施しています。

    リバースエンジニアリング技術

    研究室では、数値計算による「結果」から「原因」を特定する今後人工知能技術の主役となる可能性がある演繹的AI技術を用いた「AI連携型リバースエンジニアリング技術」について研究を実施、数値解析により提案技術の適用限界を数値的に明確化、実験により提案技術の妥当性を検証しています。

    また、「IoTセンサ情報(温度、湿度、振動等)」と構造物を構成する材料等に関わる各種支配方程式と構造数値計算を連携した計算法により、状態把握高精度化と将来状態予測を可能とする「兆しを掴み未来を予測する技術」についても検討しています。