食品成分と栄養のしくみを探究する—問いを立て、未来の食をデザインする
食品栄養科学科
北浦靖之
私は食品成分、特に「タンパク質・アミノ酸やオリゴ糖」などが、私たちの健康にどのように影響するのかを研究しています。
例えばタンパク質・アミノ酸は、筋肉や臓器をつくる材料というイメージが強いかもしれません。でもそれだけではありません。体内ではホルモンや酵素など、生命活動を支えるしくみとして働き、健康を根本から支える重要な栄養素です。さらにタンパク質は「量」だけでなく、アミノ酸の組成や消化吸収のされ方といった「質」が、健康の維持や加齢に伴う疾患予防にも深く関わることが分かってきています。
またオリゴ糖は、プレバイオティクスとして知られ、腸内細菌のバランスを整えることで、免疫や脂質代謝に影響を与える機能性をもつ成分です。私たちは、オリゴ糖の働きが、「単独で摂るかどうか」だけでなく、「どんな食事と一緒に摂るか」で大きく変わる点にも注目し、腸内環境の変化などを手がかりに、健康機能を最大化する最適な栄養設計を探っています。
当研究室では、これらの食品成分が「どのように吸収・代謝され、体に作用し、健康の維持や病気の予防に関わるのか」を、科学的に解き明かします。さらに、得られた知見をもとに、成分を組み合わせて、次世代の機能性食品やサプリメントの設計の手助けになればと思っています。
食品には「おいしい」だけでなく、「健康を支える力」があります。そのメカニズムを科学で明らかにし、未来の食をつくることが、私たちの使命です。
そして、大学は「答えを覚える場所」ではなく、「自分で問いをつくり、深めていく場所」です。誰かが用意した正解を追いかけるのではなく、「なぜ?」「本当はどうなの?」という好奇心からスタートし、自分で考え、自分の手で確かめていく。そうして少しずつ、しなやかに生きる力を身につけ、自由に考え、選べる人になっていく、それが大学で学ぶ大きな意味だと思っています。
「食と健康に興味がある」、「食品栄養の仕組みを科学的に知りたい」、「将来、食を通じて人や社会に貢献したい」、そんな思いがあるなら、食品科学の世界はきっと面白い分野になります。