〈表紙の作家〉ナタリア・ラク
[口絵]たとえばナタリア・ラクの場合◎小島亮
[特集]文化研究の汽水域
[巻頭言]「カルスタ」への「オッカムの剃刀」
─「文化研究の汽水域」の特集にあたって─◎小島亮

B5判 674頁
定価: 本体2000円+税
発行: 中部大学
発売:風媒社(2016年11月19日)
ISBN:4-8331-4129-1
特集 文化研究の汽水域
オーラルヒストリー
- 満州での少年時代から物理学者への道へ
―科学者・飯吉厚夫の歩み―第1回:(聞き手)岩間優希 - 堀江謙吉と音楽喫茶MUSICA
―あるモダニストの残影 堀江敏樹:(聞き手)伊東 信宏・樋口 騰迪・黒田 清子・小島 亮
論考
- 国民と地球化をめぐる問い
ポピュラリティ(共同性)、ポピュレイション(人口)、ポピュリズム(大衆迎合主義)─西川長夫の思い出のために:酒井 直樹 - 市民という形象《national》,《racial》,《popular》のあいだで:守中 高明
- 「釈迦は如何なる種族なのか」
─「井上哲次郎と明治期東洋哲学の形成─:鍾 以江 - 「部落民」と「蕃人」のあいだ
─台湾領有と日本帝国における人種ヒエラルキー─:呉 佩珍 - 回帰する〈新世界〉
─植民地朝鮮の三・一運動と公共性の脈動─:沈 煕燦 - コミュニケーションの政治
─ネット右翼とグローバル資本主義の関係に関する試論─:川村 覚文 - 多様性の公共的表現としての多元的デモクラシー
─ポピュラー・ポリティクスについて日本がインドから学べること:田辺 明生 - 「私の隣人」とは誰か
─〈ラルシュ〉で生きられる『友愛のポリティクス』─:寺戸 淳子 - 映像と音声に記録された〝炭鉱合理化政策下の失業問題〟:藤野 豊
- 海港都市神戸における文化運動の貫戦史的展開
─〈文化資源〉としての社会運動関係資料を手がかりとして─:黒川 伊織 - SHe という生き方
─障害者プロレス「ドッグレッグス」妖怪レスラー・遠呂智の談─:嶋守 さやか - ベトナムの社会福祉と女性研究者
─グェン・チ・オアン氏へのヒアリング調査─:向井 啓二 - 外交としての図書出版
─日本における「中国図書対外普及計画」─:諸葛 蔚東 - 津田左右吉の国民史構想
多民族帝国における単一民族国家論の役割:磯前 順一 - メイド・イン・オキュパイド・ジャパン ─残された陶磁器─:吉原 ゆう子
- ウズベキスタンにおける民族格闘技クラッシュ ─歴史と現在─:和崎 聖日
Portfolio
- [1]人間を見つめる
- 熊本地震と保育:藤原 辰志
- 地域から環境を学ぶ:味岡 ゆい
- 組織の省察的実践の理論と実践:三品 陽平
- 結核という病気で思うこと:藤丸 郁代
- 保健指導の実践者から、保健指導を教える立場へ:岡村 雪子
- 学士過程における保健師教育への選択制の導入:白石 知子
- 身体の声に学ぶ:小林 きよ子
- 看護においての倫理とは:夏目 美貴子
- 日本と欧米の社会文化的背景にみる出産をめぐる課題:横手 直美
- [2]人文知への招待
- ハーバードの中国研究
─デジタルヒューマニティーズアプローチを中心に:大澤 肇 - ブータンのあそび歌:黒田 清子
- 越境するチンパンジー:大橋 岳
- 赤ちゃんに「可愛い」は禁句?─韓国と沖縄の妊娠習俗あれこれ:平井 芽阿里
- グラウンドコントロールステーション
─無人機による災害発生時のリアルタイムな情報支援のために:松浦 孝英 - 日本文化史における地方の役割と力
―魯山人と地方のパトロンたち―:金澤 一輝
- ハーバードの中国研究
- [3]西丸震哉を考える
- 表現者・西丸震哉を原始感覚で読み解く:南 基泰
- 西丸震哉氏が感じた日本の「食」の危機を考える:小川 宣子
- 西丸震哉『山の博物誌』─怪しい博物誌の魅力と弊害─:村上 哲生
レクチャー
- 観察映画の方法論:想田 和弘
論文
- 星と曜日 七惑星と七曜制:堀内 勝
インターフェイス
- 日中高等学問最新事情:佐々木 力
- 歴史の激変のなか、ささやかな異端として
─マルクス主義理論のパラダイム転換へ─:大藪 龍介 - バレエ、国家とともに踊る─〝文化冷戦〟の諸相をめぐって(3):陶山 幾朗
- 遺伝子組み換え作物の誤解とその危険性:竹下正哲・キソル・チャンドラ・カナル
- デヴィッド・ボームの宇宙、宣長・守部・篤胤の宇宙:岡本 聡
特別論考
カール・コンシュとその軌跡:ミヒャエル・ブックミラー 青山 孝德 訳
自著を語る
- 『名古屋圏の都市地理学』:林 上
- 『探偵小説のペルソナ 奇想と異常心理の言語態』:小松 史生子
- 「日本洋画」のゆくえ 『愛知洋画壇物語PARTII』を刊行して:中山 真一
新刊旧刊
- 『反原子力の自然哲学』:野家 啓一
- 『音楽テイストの大転換』:樋口 騰迪
- 『死者の花嫁』:高柳 健太郎
- 『敗戦日記』:西原 麻里
- 『神戸・ユダヤ人難民1940-1941』:有泉 芙美代
- 『1945 予定された敗戦』:影浦 順子
- 『アフリカの老人』:長島 信弘