前島 正義

新発見の分子を通して細胞・植物を見てみよう

お知らせ

    応用生物化学科
    前島正義

    大学で学ぶ3つの柱

    大学は人文学、社会科学、自然科学をより専門化した分野を擁しています。大学ではそれぞれの学問を学ぶことに加えて、若い感性をもって未知に挑む研究活動が大きな柱となっています。大学には同じ世代の学生が学び合い、それぞれの道のプロとして教員、職員が支えています。ですから勉学、課外活動を通して視野を広げ、ヒューマンネットワークをつくることもできます。これが第3の柱です。

    研究しないと分からないことがたくさんある

    生物・生命科学分野では、新しい分子・因子、あるいは新しい現象、新しい作動機構を見出すこと、新しい概念を提案することを目指し研究活動を続けています。細胞を構築するタンパク質であっても、どのような分子構造をしているのか、いつ、どこで、どのような働きをしているのかを解明することではじめて、分子と生理機能を理解できます。逆に、その分子から細胞や組織の特徴をつかむことができます。たとえば細胞膜に配置されている水チャネル分子を見てみましょう。水チャネルの数量の多い細胞では、細胞間の水の流路を確保し水流を維持する役割、逆に数量の少ない細胞では保水機構を高め乾燥などに備える役割が見えてきます。分子をていねいに見る、分子から細胞・個体を見るという両面を学んでもらうことを心がけています

    注目する分子がすでに知られているものと似ているとしても、異なる役割を果たしているかもしれません。たとえば水分子専用の膜輸送体と思われていた水チャネルは、グリセロール、エチレン、二酸化炭素などを輸送する種類も報告されています。このように、解析してみないとわからないことがたくさんあります。あなたの「この分子は何をしているんだろう」という素朴な疑問が、大きな研究に発展する可能性、あるいは課題を解く鍵を与える可能性があります。科学的な見方、解決の方法を学び、ひとりひとりの資産にしてほしいと願っています。

    大学は人生のジャンプ台

    みなさんが大学生活の中で大きく変わり成長してくれることを願っています。大学で過ごす日々は、人生の中での大きな変革の時間であり、その後の人生の礎でもあります。失敗が許される学生時代に是非さまざまなことに挑戦してみてください。