中川 大

生命の設計図に刻まれた暗号を解読して、健康な社会作りに貢献しよう!
~超早期リスク診断・早期予防の時代に向けて~

お知らせ

    応用生物化学科
    中川 大

    社会に貢献したいと思っている高校生・大学生の皆さん、生命科学の研究を通じて、一緒に健康な社会作りに貢献しませんか?

    生命の設計図に刻まれた暗号って何?

    私たちヒトの体を作り、維持してくれている「タンパク質」は、「遺伝子」に収められた情報を基にして作られます。そのため、遺伝子は生命の設計図であると言われています。その遺伝子は、たった4種類のデオキシリボ核酸(DNA)が鎖のように連なってできていて、そこで連なっているDNAは、3個で1組になって1つのアミノ酸を意味する「暗号」になっているのです。ちなみに、遺伝子は、意味を持たない(と考えられている)DNAと一緒に連なって「染色体」の中に存在しています。ですから、遺伝子は、まさに「暗号」なのです!
    DNAの種類はたったの4種類ですが、これらは20種類のアミノ酸を作る基になっています。そして、これらのアミノ酸は、ヒトの体の中で約33000個のタンパク質を作る基になっているのです。では、生命の設計図に刻まれた暗号を解読すると何が分かるのでしょうか?

    生命の設計図に刻まれた暗号を解読すると何が分かるの?

    遺伝子という設計図に従って私たちヒトの体が作られているということは、目の色、まぶたの形、耳たぶの形、髪質といった「外見」や、血液型、アルコールに弱い、太りやすいといった「体質」など、ヒトが一人一人違っている原因は、遺伝子にあるということです。つまり、遺伝子の中に並んでいるDNAの違いが個人の違いを創り出しているのです。逆に考えると、生命の設計図である遺伝子の中に並んだ「DNAの暗号」を解読すると、その人の外見や体質が分かるのです!
    DNAの違いは、日本人の染色体の中だけでも313万ヶ所にありますが、その違いが個人の違いとどのような関係にあるかは、まだほとんど分かっていません。私たちの研究室では、DNAの違いと個人の違いとの関係を明らかにしようとしています!

    超早期リスク診断で健康な社会を作ろう!

    もし自分に危険が迫っていて、それを避けることができると知ったら、どうしますか?多くの人は、その危険を避けようとすると思います。薬の副作用や生活習慣が原因で起こる病気は、意識することで予防することができるので、これらのリスクが分かったら良いと思いませんか?

    実は、薬の副作用や生活習慣が原因で起こる病気が遺伝子の中に並ぶDNAの違いによって生じることが分かってきました。私たちは、薬の副作用や生活習慣が原因で起こる病気を早期に予防できる社会作りを目指して、これらのリスクを高めるDNAを見つけ出そうとしています。そして、超早期にこれらのリスクを診断できるようなシステムを作り上げて、健康な社会作りに貢献することを目指しています。