学生の想いを感じる!

お知らせ

    工学部電気システム工学科
    准教授 山本 和男

    どのような場所で講演するにしても、その講演方法は、その内容(レベル、分野の専門性・特異性)、聴講者の質(ある程度その分野の知識を有した専門家?一般的な聴講者?など)に依存して変更します。同じようなことは日頃、学内で行っている授業でも言えることで、学生の様子(集中して聴講できている?理解できてそう?興味を持ってそう?)を観察し、その想いに応じて説明の方法、スピードなど、授業の進行方法を臨機応変に変更できるかが重要になります。おそらく、授業中の学生の様子を感じることができなければ、学生が満足感を得るような授業はできないと思っています。

    学生の想いを感じるためには、その表情等を観察するだけでは十分でない時があります。そのような場合、授業中の学生とのコミュニケーションは欠くことはできません。私の授業を受けた学生は感じたと思いますが、授業中、頻繁にさまざまな学生に声をかけ、様子を観察するようにしています。特に、初期の数回の授業では、そのクラスの基準となる学生(私の場合は平均よりも少し上の学力を持った学生)を見つけるために多くの学生に話しかけます。その後の授業では、それらの学生を中心に、理解度を把握しつつ、成績上位、下位の学生が授業レベルに不満を抱いていないかにも注意を払い、授業を進めるようにしています(これはかなり難しく、結果、成績上位、下位のどちらかの学生が不満を持つことも少なくない)。

    うまく受講学生の授業に対する想いを感じることができれば、その授業は受講学生にとって満足するものになります。ただ、授業内容では最低限保証しなければならないレベルがあります。そのレベルを下回らないよう、難解な内容を説明するにしてもその方法を工夫するのです。もちろん予習を行い、その授業のストーリーを描いてから授業に望むことも重要です。

    ここで紹介した内容は、決して特別なことではありません。ただ、当たり前のことをきちんと行うことが、満足度の高い授業を行うためには重要と考えています。

    ANTENNA No.123 (2014年8月)掲載

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