みんなの授業づくり 建築自主活動B

お知らせ

    工学部建築学科
    教授 山羽 基


    「人」と「環境」を中心に据え、豊かな社会を構築し地域で活躍する建築技術者の育成が、建築学科の学習目的となっている。建築は人間とともにあるので、工学部の専門領域の中で最も歴史が古く、未来も人類とともにあり続ける。だから、建築工学の基礎だけでなく、人間と社会の関わりを学ぶ必要がある。これらは教室での学習ばかりが勉強ではなく、学生が自ら学外に出て行って自主的な活動の中で身に付けるもの。学生の自主的活動を支援するために、いくつかの活動を合計して単位を認定する「建築自主活動B」という科目を設定した。

    この科目は、学科の指定する展覧会、現場見学会、講習会などの活動記録を提出し、15回の蓄積を持って単位認定する。これらはシールを貼って掲示しているが、活動は学科の指定するものに限らず、学生が見つけてきたものでも条件を満たせば認定する。平成18年度から単位認定なしで在学生に対して試行して、平成20年度入学生から正式に科目となった。

    これまでに実施した活動は、学科が推薦する展覧会への参加と現場見学会などで、展覧会は学生がそれぞれ参加すればよいが、現場見学会は安全対策などがあるので、卒業生にお願いするなどして学科で企画している。昨年の秋には、浜松でバウハウス・デッサウ展があると学生に伝えたところ、クラス費を上手に使ってバスを借り40人ほどのツアーを実施し、大変有意義な体験をしてきた。

    自主活動を行っている学生は今のところ少数だが、他の学生へ情報が伝播してクラス全体が活性化してくれると期待している。ポスターに小さな「建築自主活動」というシールを貼るだけだが、見学会への参加はそれが無い時に比べて盛んになっている。ちょっとしたきっかけで学生が自主的に活動して、教員側が想像もしなかった効果が生まれるかもしれない。

    ANTENNA No.93 (2009年8月)掲載

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