会計を通して企業を見る目を養う

お知らせ

    経営情報学部経営情報学科
    准教授 阿部 仁

    会計はビジネスの言語と言われる。 企業活動の成果は会計のプロセスを経て、財務諸表とよばれる貸借対照表、損益計算書など の計算書類にまとめられる。 私は会計のルールである会計基準の国際的統一に関する諸問題を研究しており、 専門科目「国際会計論」でその内容を講義しているが、会計の仕組みを初歩から学ぶ必修科目 「入門簿記」、「簿記原理」も担当している。

    特に「入門簿記」は経営情報学部に入学した学生が会計に初めて接する科目であり 「会計を好きになってもらいたい!」と願いながら授業にのぞんでいる。 「入門簿記」の授業では、レジュメと板書を中心に60分を講義にあてている。 多種多様な企業取引をどのように会計のプロセスにインプットするか、事例を用いながら学んでいく。 学生生活の中ではおそらく遭遇することのない取引事例をもとに、その記帳や処理方法を学ぶため、 専門用語が難しいという意見も多い。

    「当座預金」、「受取手形」、「売掛金」、「買掛金」なんていわれてもピンとこなくても無理はない。 理解とともに少し暗記も必要になる。 「社会に出たらきっと役に立つから」と訴え続けている。 簿記は理解とともに問題を解くことが重要な分野であるため、残りの30分は講義で話した内容を理解しているか、 毎回、演習問題を解いてもらい提出を求めている。提出物は次の授業までに採点し、返却することをモットーと しているが、これがなかなか大変。授業の合間や、電車の待ち時間など、短い時間を利用して赤ペンを走らせて いる。

    返却された答案の点数に一喜一憂する学生の表情を見ていると、今週も間に合ったという安堵感とともに苦労も 吹っ飛んでしまうように感じる。 ただ演習問題は非常によくできているのに試験の点数がさえない学生が少なからずいる。 相互扶助(?)の精神も大切だが、社会に出てから困らないように自身を磨く努力を怠らないでほしい。

    ANTENNA No.88 (2008年10月)掲載

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