企業との協働によるゼミナール活動

お知らせ

    経営情報学部経営総合学科
    教授 清水 真

    「私の授業づくり」では、3年生の専門ゼミナールの活動について紹介したい。ゼミナール活動において目標としていることは、①学生が就職活動を少しでも有利に進めること、②卒業論文を書く準備をさせることの2点である。

    社会科学系の学生に限ったことかもしれないが、今日の企業でのインターンシップは就職に直結しているケースが多い。その内容も職業体験から企業の課題を発見し、その解決策をグループで提案する形式へと移行しつつある。このような採用方法の導入からは、短時間の面接ではなく、インターンシップを通じて学生の能力や性格を判断して採用したいという企業の強い意志が感じ取れる。

    このような企業における採用の動きを踏まえ、専門ゼミナールでは前期授業を「改善」、後期授業を「創出」というテーマで活動を行っている。2020年度の前期授業は名古屋商工会議所様のご協力で、学生に人気のある業界から講師(地元企業)を招聘し、市場の性格や競合他社などの外部環境、自社の戦略、強み・弱み、実績などの内部環境について説明を受け、その会社の問題点や提示された課題を解決する取り組みを行っている。このように前期授業は夏の企業インターシップに向けて、企業の問題を「改善」するというテーマでのゼミナール活動である。

    一方、後期授業はビジネスコンテストに参加することを目標としており、学生はこれまでに存在していないビジネスモデルを「創出」する。ビジネスコンテストの審査項目の多くが、①新規性、②市場性、③競争優位性、④実現可能性に関する企画書の作成である。この活動を通じて、論文作成に必要な論理的思考や調査分析力だけでなく、ビジネスパーソンに必要とされるプレゼンテーション力も身に付けることができている。

    「改善」や「創出」というゼミナール活動は、論文作成に役立つだけでなく、就職活動の際の武器にもなっている。今後も商工会議所様や生きた教材である地元企業様との協働授業により、従来のゼミナールとは異なった活動を模索していきたい。

    ANTENNA No.149 (2020年10月)掲載

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