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    応用生物学部食品栄養科学科
    准教授 宮田 茂

    1月中旬にこの原稿の執筆を依頼された。教育活動優秀賞を受賞したためとのことだが、何を書けばよいのか分からず困惑した。ちょうど、卒論・修論シーズンで、その後には学会も控えていたこともあり、1カ月以上放置していたが、さすがに言い訳が立たなくなり渋々筆を執ることにした。

    私の教育ポリシーや授業における工夫、印象に残っている先生の授業等を紹介すればよいとのことだが、優秀な諸先生を差し置いて特に語るような教育ポリシーも持ち合わせておらず、その都度、自分の都合に合わせて変えるため怖くて書けない。また、研究では深く感銘を受けた偉大な先生はたくさんいるが、不真面目な学生だったため、特に印象に残っている講義もない。このままだと原稿を落とすことになるので、私が講義で留意していることを書こうと思う。

    私は主に微生物学分野の講義・実験を担当している。微生物は、もともと肉眼では見えないが、その「面白さ」を伝えることには気を遣っている(つもりである)。特に、話題性のある最新情報を入れることにより学生に興味を持たせるようにしている。今なら差し詰めCOVID-19だろう。また、教科書やプリントだけでは「超短期記憶(丸暗記)」で終わってしまうことが多々あるので、講義に使うスライドでは、できるだけ動画や図を取り入れ、イメージとして理解を促し、長期記憶(ロジック)を得られるように工夫している。分子機構に基づく病原因子の機能を説明して論理的な理解を促したり、時には教科書には載っていない私的な理解を示したりして、ストーリー性をもって理解できるように留意している(つもりである)。

    とはいえ、学生も微生物と同様、多様性に富んでおり、発達段階もさまざまである。そのため、?啄同時を常に意識し学生が興味・関心を示した時には、熱く語るようにしている。また、学生が自ら学びたいと思うように、講義中はいつも楽しそうに話しているつもりだが、学生いわく、お酒の話(応用微生物学分野)の時だけ、熱く語っているらしい。もっと研鑽を積む必要がある。

     ANTENNA No.148 (2020年4月)掲載

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