小学校へ行こう!

お知らせ

    現代教育学部児童教育学科
    教授 三島 浩路

    児童教育学科では、学科や教育実習センターの先生方と、『観察実習』や『教職実践演習』という授業を行っています。

    タイトルに挙げた「小学校に行こう!」は、学生が教師になって小学校に就職するという意味以外に、“小学校へ学生が頻繁に出かける”という意味も含んでいます。

    教員免許を取得された方にはご経験がある「教育実習」は、本学科でももちろん行っています。3年生春学期に小学校へ教育実習に出かける前に、2年生の秋学期、隔週1日、小学校でボランティア活動を行うというのが『観察実習』という授業です。

    数年前、この授業をスタートさせた頃、受け入れてくださる小学校も少なく、その上、「学生に何をやらせたらよいのか分からない」というご批判や、「教育実習」と誤解されたケースなど、トラブルが続出しました。しかし、活動に参加した多くの学生が、未熟ではあるものの一生懸命に小学生と関わり合ったり、学校の環境整備に努めたりする中、この活動に関する小学校の理解も年々広がり、今では多くの小学校から学生派遣の要請をいただけるようになりました。

    4年生秋学期の『教職実践演習』という授業の一環として、小学校等で毎週1日、教職インターンシップに近い活動を学生が行えるようにしています。同じように小学校で活動した2年生の頃とは違い、小学生に対する具体的な支援の方法や授業展開の仕方など、数カ月後に小学校へ就職した際、自分が教師として行わなければならないことを強く意識していることが、学生の報告書から読み取ることができ、彼ら一人一人の成長が感じられます。

    講義室で行う授業だけでは育たない学生の教育的人間力は、「小学校へ行こう!」という方針で開始したこうした活動の中で育まれていますが、活動に参加した学生の真摯な姿勢は、中部大学に対する教育現場の信頼感を高めることにも貢献しており、こうした活動の持続可能性を高める大きな力になっています。

    ANTENNA No.133 (2016年7月)掲載

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