「自分の体と言葉」と「覚えて、忘れて、覚えて」

お知らせ

    生命健康科学部理学療法学科
    教授 宮下浩二

    現在の大学企画室高等教育推進部の前身である大学教育研究センターの業務の任を受けてから7年が経過した。その間、多くのFD企画に参加させていただいた。特に授業サロンや全学公開授業では、多くの先生方の素晴らしい授業を拝見できた。まさに役得である。この場を借りて感謝申し上げる。

    さて、私の所属する理学療法学科は資格系学科である。資格系学科は特殊な事情も多々ある。国家試験を合格するためには、どうしても「覚える(記憶する)」ことが必須となり、授業づくりといっても単調にならざるを得ない科目も少なくない。しかも、膨大な量を要求される。しかし、それで諦めていてはせっかくの役得を生かせない。私が受け持ちの中に「運動学実習」という全身の関節運動の仕組みに関する学問がある。この授業でも関節の運動に関する「知識」を暗記させる必要がある。しかし、ただ丸暗記させても知識は定着しない。そこで、その仕組みについて、「自分の体で実感」させ、その現象を「自分の言葉で説明できる」ことを目標としている。さらには、その知識の使い方、考え方を体得できるようにしている。手間はかかるが、この方法を採用してから知識の定着はかなり高まった。

    紙面の都合上、ツールについて述べましたが、これからも学生に向けたサービス向上に努め「魅力ある授業」になるように精進していきたいと思っています。

    ANTENNA No.153 (2021年10月)掲載

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