ゼミナール形式で 達成感のある授業を目指す

お知らせ

    工学部都市建設工学科
    教授 武田 誠

    都市建設工学科では、土木工学を基礎とした街づくりに関わる授業が準備され、学生教育を行っています。私は水工学に関わる、基礎的な「水理学Ⅰ演習」「水理学Ⅱ」と、応用的な「河川工学」、創成科目である「部門創成B」などを担当しています。私の授業づくりを振り返ってみると、科目の持つ特色に配慮して、基礎科目では実現象を表す数式の意味を重視して板書を活用し、応用科目では土木業界の先端情報を引用しながら、イメージを与えるようパワーポイントなどを活用して授業を行っています。ここでは私のゼミナール授業に焦点を当てて、「部門創成B」の様子を紹介したいと思います。

    「部門創成B」は3年生秋学期のゼミナール形式の授業で、平成27年度は7人の学生を担当しました。基本的な水工学の課題解析技術を教育することを目的に、水理学の基礎方程式の誘導、数値解析の説明、自らの課題の設定と数値実験を授業内容としています。基礎方程式の誘導などは、慣れていない学生にとって難しい内容とは思いますが、少人数のゼミナール授業のためか、楽しそうにグループ学習しています。

    この授業では、浅い内湾の水理や都市の浸水などを模擬して計算できる平面二次元不定流の解析プログラムを活用します。学生は内湾の水理に関する風の影響、地形の影響、津波の計算など、自らのアイデアを生かして取り組んでいます。学生によって課題が異なるので、そのためのサポートも大変ですが、学生の理解のためには、ある程度自由度のあるツールが大事だと思います。授業の中では、特に、考えることの大切さを伝えています。与えられた資料を参考に、学生自らが設定した課題に対して精力的に取り組んでいる姿を見ると、教員としてうれしく思います。また、「なるほど」「分かった」など自分なりの理解が高まった学生の様子を目の当たりにすると、苦労が報われる気がします。ゼミナール形式の授業の特色とも言えますが、学生も教員もお互いに達成感のある授業を目指していきたいと思います。

    ANTENNA No.132 (2016年4月)掲載

    中部大学について