良い授業は教員の協働から始まる

お知らせ

    生命健康科学部保健看護学科
    教授 牧野 典子

    私が主に担当している科目は「成人急性期看護学」で、救急看護、集中治療室の看護、手術患者への看護を教えている。一緒に担当しているのが江尻晴美先生と中山奈津紀先生だ。3人は会うと、事前学習をやってこない学生をどう動機づけるか、Cumoc(キューモ)の効果はどうかなど、学生参加型の授業づくりに余念がない。 3人の講義では、途中に必ずペアか3・4人グループでの話し合いを設ける。自分の講義を学生がどのように理解したかをペアで伝え合ったり、事前学習を見せ合ってお互いに調べてきたことを共有したり、グループメンバー全員が調べたけれど理解できなかった用語を確認する。その用語を後半の講義で取り上げて説明すると、大きくうなずく者、まだすっきりしない顔の者、隣の学生と自主的に確認作業をする者など、学生の反応は前半の授業より良くなっている。

    12月の授業で、消化器ストーマ装具交換技術の習得を目的にジグソーを導入した。グループメンバーが分担した知識を専門家チームで学び、グループの他のメンバーに教えて理解させる技法である。今回は、グループメンバーが「必要物品の名称と使用目的」「装具交換の手順」「ストーマ周囲の皮膚障害を予防するケア」の中から1つ分担し、他のメンバーに教え合った。学生は事前学習を行って、授業当日に役割別の専門家チームに参加し、他者に教えることができるまで深く学び合った。3人の教員はそれぞれの専門家チームのアドバイザーである。その後、学生は専門家チームを解いてグループに戻り、学んだことを教え合った。授業後の感想から「自分もみんなも勉強でき、とても良かった」「疑問もそのままにせず質問し合えたのが特に良かった」「専門家で学んだことを早くグループの人に伝えたくてウズウズしていた」「なぜ・・・いいのかという理由も説明することができた」など、学生同士の学び合いが活発に行われた授業だったことが分かった。

    ANTENNA No.126 (2015年2月)掲載

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